ぼくらの妊娠・出産体験記【後期】
妊娠28週〜40週は後期。
ぼくらの妊娠・出産体験記【初期】、ぼくらの妊娠・出産体験記【中期】の続きです。
28〜29週
♀:28週。後期に突入。胎動が激しくなってきた。胃や肋骨を蹴られてめちゃくちゃ痛い。
♀♂:聴診器購入。赤ちゃんの心音はほぼ聞こえず。場所によっては水の音(血液の音?)が聞こえる。
☆:聴診器購入。
♂:市販の聴診器とコンデンサーマイクを合体させ、心音録音機を自作してみた。でも、そもそも心音が聞こえないので雑音しか録音できず。
♀:29週。身内に不幸があり急遽帰省することに。夫は仕事があったので、先にひとりで帰省。週末には夫も駆けつけてくれた。このことがなければ帰省する予定はなかったので、悲しいことがあったとはいえ久々に会えた親族に沢山お腹を撫でてもらえて良かった。この時期の長距離移動はかなり腰がしんどかった。
♀♂:地元で甥っ子や姪っ子の運動会に参加。親族が近くにいない環境での出産を迎える僕らにとって、自分たち以外の環境に触れることは少なく、子育てについていろいろな角度で考え直すきっかけになった。
30〜31週
♀:30週。足が冷えないように履いて寝ていたルームソックスを履き忘れた日の朝、少し伸びをした瞬間にふくらはぎが攣ってビックリした。
この頃から食後しばらくすると胸焼けがするように。
★:妊娠中期に少し楽になった後、後期に入るとママは第二の悪阻と呼ばれる「胃痛」、「胸焼け」に悩まされる。赤ちゃんが大きくなり胃が圧迫されることで、胃液が逆流することが原因。一度に多くの食事をしないようにしよう。
♀♂:31週。これまでずっと通院していた産院が分娩を辞めるという話が急浮上。既に予納金も納め、いよいよという時期の急展開にてんやわんや。検診後そのまま近くの産院を巡り、受け入れてくれるところを探した。
こんな時期に参院を移ることへの不安が無いというと嘘になるが、妻のストレスにはならなかったようなので、それが何より。
子供を迎えるために家の片付け(主に夫の私物処分)。
♀:夜中にやたらと喉が渇くようになる。目が覚めたら水を飲むようにしていた。
☆:ベビー用品(綿棒、爪切り、ヘアブラシなど)購入。
32〜33週
♀♂:32週。正式に転院先の病院が決まる。
自宅でセルフマタニティフォトを撮った。
何やら不思議な運気に恵まれ、色々な懸賞やプレゼントが集中して当たり始める。赤ちゃんパワーだろうか?
♀:ライオンおくるみ完成。
☆:ベビー布団購入。
☆:ベビー用品(洗剤、衣類など)購入。
♀♂:一眼レフを買ったはいいものの、いざ出産となったときカメラでいいのか悩み、夫婦で話し合った結果ビデオカメラも購入することに決定。
☆:ビデオカメラ『SONY PJ630V』を購入。
♀:33週。時々下腹部痛が起こる。横になっても仰向けになっても、腰がつりそうになったりお腹が張ったりしてしんどい。
お腹の子がしゃっくりを頻繁にする。ハッキリ感じられて面白い。
毎日のように続く胸焼け。吐いても治まらず。
★:お腹が大きくなってくると、子宮を支えるための靭帯が引っ張られることで、下腹部痛が起こる。
★:この頃になると、赤ちゃんが頻繁にしゃっくりをするようになる。いわゆる「しゃっくり胎動」。これは呼吸の練習で、赤ちゃんが順調に育っている証拠。
♀♂:元々通っていた産院でプレバースクラス受講。
★:プレバースクラス(教室)では、助産師さんから呼吸法や出産についてより具体的な指導を受けることができる。産院によっては妊婦体験や沐浴指導など、両親学級と同じことをするところもある。
プレバースクラスを受講していないと、出産に立ち会えないという産院もあるらしい。
34〜35週
♀♂:34週。新しい産院での初検診。前の産院にはなかった4Dエコーで、初めて立体的に我が子を見ることができ、感動。
妻とベビーベッドの必要性について話し合い、悩んだ末にレンタルすることに決定。
転院に入院手続きと忙しかった。
☆:レンタルベビーベッド(かしてネッとにて)注文。
♀:ここにきて初めて体重について注意を受ける。ここまで+8kg超だったので「あと一カ月半あるから10kgを超えないように気をつけて」とのこと。次の日からお散歩と、夕食の時間を18時前後に済ますことを心掛けた。
朝起きると指がカクカク曲げにくくなった。これは「バネ指」と呼ばれているものらしい。
日常的に散歩をするよう心掛けた。
お腹が張ると動悸がするように。
腰があまりにも痛いので、骨盤ベルトを購入。産後用を購入したが、楽になるので早速巻いていた。
★:バネ指とは、妊婦さんがなりやすい腱鞘炎のひとつ。ホルモンバランスの変化が原因。
☆:骨盤サポートベルト購入。
♀:35週。手にまたイボが出来てしまい、治療。
足の付け根や右下腹部に攣るような痛みがある。
☆:リモコン三脚『SONY VCT-VPR1』購入。
☆:SDカード追加購入。
36〜37週
♀♂:36週。臨月に突入! この週からは検診が週に1回になる。
夫婦でインフルエンザの予防接種を受けた。
子供の服を水通しした。
♀:バネ指のことを伝え、ビタミンB2を処方されたが効果がなく、右手までカクカクするようになってきた。
生理痛のような鈍痛があり、不規則な張りが頻繁に起こる日もあった。
甘いものが我慢できず、朝食に菓子パンを食べたり、毎日のように何かしらの甘いものを食べていた。
産院でマタニティフラダンスを受講してみる。すごく楽しい。
☆:ベビー用品(オムツ、衣類など)購入。
☆:ビデオカメラ用バッテリー(×2)購入。
♀♂:37週。初めてのNST。前回と違う先生に「赤ちゃんの大きさが少し小さめなので、過去のエコー写真(前の産院のもの)を見て週数計算が正しいのか確認したい」と言われる。今までずっと順調だったので不安に。
友達がウチに来てくれて、少し早いクリスマスパーティーをした。久々に遅い時間にご飯やおやつを食べた。
★:NST(ノンストレステスト)とは、お腹に機械を取り付けて赤ちゃんの心音、胎動、お腹の張りを計測し、赤ちゃんがお産に耐えられるかを確認する検査。
★:赤ちゃんの週数計算があっているかどうかを確認する場合、12週前後の計測結果を確認する。その頃までは、赤ちゃんの個体差がほぼ無いかららしい。
♀:夜トイレに起きると胃痛がし、暫くすると治まる。2日ぐらいで終わったが、原因不明。
この頃から頻繁にお尻が攣るような症状が出てくる。
この週もマタニティフラダンスを受講した。
38〜39週
♀♂:38週。ベビー用品の不足がないか再確認。抱っこひもを購入。ベビーベッドが届く。組み立てるだけでニヤニヤしてしまう。
安産を願って散歩。無理しない範囲で歩き回っていると、今住んでいるところの良さを再認識できた。
☆:ベビー用品(哺乳瓶、ハンガー、バケツなど)購入。
☆:抱っこ紐『ベビービョルン ONE メッシュ』購入。
♀:どう寝ても右腰が痛かったり大きな胎動があったりで、ぐっすり眠れない。後期に入ってからずっと続いている胸焼けが苦しくて辛い。
甘いものを食べると酷い胸焼けがするのに、食べたくなってしまう状況。
赤ちゃんが下りてきているようで、急にお腹が重く感じるようになった。
♀♂:39週。ついに予定日まであと1週間。赤ちゃんの心拍数が以前のNSTと比べ低かったり、子宮の収縮にあわせて心拍数が上がらなかったりしたので、心配になったが、先生曰く計測中に赤ちゃんが寝ていたらしい。
出産予定日の深夜、規則的なお腹の張りが来る。慌てて病院に行く準備をするが、本陣痛には至らず、朝には治まってしまった。
★:不規則だったり、最終的に痛みが引いてしまい本陣痛に至らない陣痛のような痛みを前駆陣痛という。
☆:お産に備え、エネルギー補給に必要なドリンクや食べ物を購入。
40週〜出産
♀♂:40週。出産予定日の次の日に40週目の検診へ。産院が年末で休診になるため、陣痛促進剤を使った計画分娩をすることに決まる。予定日を過ぎてすぐなので、促進剤を使うには早いと思ったが、「人手不足のときに何かあってはいけない」と先生に言われ、計画分娩の予約を入れた。
でも、できるだけ自然に陣痛が来てほしい。
★:計画分娩とは、自然に陣痛がくる前に事前に出産する日を決め、陣痛促進剤を使って計画的にお産を行うこと。促進剤が効きすぎて母子に害が及ばぬよう、分娩監視装置をつけて十分注意を払う必要がある。
★:陣痛促進剤(誘発剤)とは、文字通り人為的に陣痛を誘発するための薬剤。予定日(40週0日)を過ぎても陣痛が来ない場合、過期産(胎盤機能の低下が心配される)の予防のために用いられる。(効き目には個人差がある)
♂:僕の両親が休みを利用して孫の顔を見に来てくれたが、滞在中には産まれず。
♀♂:焼肉を食べたり、オロナミンCを飲んだりと、お産を早めるジンクスを試すも、効果は得られず。
★:お産を早めると言われる上記のジンクスに、科学的根拠は無い。
♀♂:計画分娩当日。結局自然に陣痛は来ず、促進剤を使用。
♀:陣痛促進剤を点滴で投与していたので、トイレに立つだけでも一苦労。動きづらかった。激しい痛みと格闘の末、促進剤使用開始から6時間程で出産。
ついに赤ちゃん誕生。
年末に出産するメリット・デメリット
メリット:年末休みなので、入院中ずっと家族一緒にいられる。
デメリット:産院が年末で休診になる等、病院の都合で出産を急かされる場合もある。通常の時よりリスクがある(人手不足に複数のお産が重なり、対応が遅れるなど)らしい。
完全に年末休みに入っている時期なら別ですが、僕らは丁度休みに入る前だったので、通常より早めに陣痛促進剤を使うことを促されました。自然に陣痛が来るのを待つ(計画分娩を拒否する)こともできたのかもしれませんが、何かあってから後悔しても遅いと思い、計画分娩となりました。
計画分娩になることで赤ちゃんの誕生日が予めわかってしまうのは複雑な気分でしたが、結果的に何事も無く母子ともに無事出産を終えることが出来たので、それが何よりです。それだけで嬉しいです。
出産時に用意していて良かったもの。
- ビデオカメラ
- 一眼レフカメラ
- 栄養補給用ストロー
最も活躍したお産グッズは“エネルギー補給用のストロー”でした。
色んな方から必須だと聞いていたテニスボールも用意していましたが、妻には必要ありませんでした。登山者が使っているような長いストローが欲しかったのですが、見つからなかったので100均で買ったストロー付きベットボトルキャップを用意しました。
これはこれで水分補給の際に顔を上げなくてもいいし、プッシュオープンタイプのキャップが付いているので素早く水分補給ができます。入院中やたらと喉が渇いた妻は、「冷蔵庫から出して片手でサッと飲めて良かった」と言っていました。お勧めです。
★:授乳育児をするお母さんは、食欲が旺盛になり喉も渇くので、こまめな水分補給が必要。水分補給は水でもいいが、水ではエネルギー補給にならないので、カロリーオフじゃないゼリーやスポーツドリンクが望ましい。そして立ち会い出産時の要、カメラ。
僕は出産時にどう立ち回るべきかずっと悩んでいて、何度もイメージトレーニングをしてみましたが、経験したことがないことなのでどうしていいかわかるわけもありません。結局「ビデオカメラだけ回していよう」という結論に至るも、計画分娩になったことで一眼レフカメラとビデオカメラの両方を産院に持って行く余裕がありました。
そしていざ分娩となったとき「貴重品は身に付けていてください」と言われたので、財布などの貴重品と一緒に、両方のカメラを装備した状態で分娩室に向かうことになりました。
そんな偶然が重なり、結果的に生まれた瞬間の我が子の動画撮影と、生まれてすぐの家族写真を残すことができました。出産前は計画分娩に良い印象が無く、できることなら避けたいと思っていたが、自然に陣痛が来たらカメラを両方持って行くことはなかっただろうし、悪いことばかりではなかったなと今は思っています。
おわりに
僕は男なので、妻が妊娠してからというもの妻をサポートすることしか出来ず、ただただ女性の強さと男の無力さを感じました。尊い命を授かったことを「当たり前」と思わないため、妻の頑張りを忘れないため、今回夫婦の妊娠・出産体験を振り返ることで改めて妻への感謝を心に刻むことができました。
そして、なんだかんだとバタバタしているうちに、娘が生まれてから昨日で1ヶ月が経ちました。3000gに満たない体重で生まれてきた娘もじきに4000gを突破しようとしています。身長は5cmも伸びました。
子供の成長ってスゴイ! これからの成長も楽しみでしかたありありません。娘の顔を見ていると、本当に生きてきてよかったと思います。妻と出会えてよかったと強く思います。ぼくらの望んだ子供はこんなにも弱々しく、こんなにも逞しい。
せめて今だけは、僕らに守らせておくれ。