愛に生きるライオン

おもしろき世をことさらにおもしろく

子供とiPhone

最近帰省する機会があり、地元にいる甥っ子や姪っ子と触れ合ってきました。自分たちに子供が出来たということもあり、「この年齢だとこんな感じなのか」などと親目線になったつもりで色々と考える時間になったと思います。

魔法

我が子の従兄弟になる甥っ子、姪っ子たち。彼らと接していて特に感動したのは、いちばん年上の小学校2年生になる甥っ子の行動。彼の弟の運動会に一緒に行った時、妻が自分のiPhoneを貸して彼にビデオ係を任せました。後で撮れたビデオを確認してみると、何も言わずともピンチジェスチャーでズームを駆使し、想像以上の働きを見せてくれた甥っ子。

そんな甥っ子の才能に感動した妻は、その後も彼にiPhoneを託し、自由にビデオを撮らせました。すると彼は嬉しそうにたくさんのビデオを撮り始めました。まさに水を得た魚のように。自分で撮ったビデオが大好きな彼は、自分で観て自分で爆笑します。正直何を言っているのかわからないビデオもたくさん撮れていましたが、彼の話をよく聞いてみると「なるほどそんなつもりで撮っていたのか!」という斬新なアイデアばかり。

彼の目線で撮られた映像の数々は一見不可解に見えるものばかりなのですが、その行動のひとつひとつに意味があるのだということを教えてくれます。彼の手にかかれば、iPhoneは僕ら大人を子供の世界に連れて行ってくれる魔法の道具になるんです。

善し悪し

甥っ子の柔軟な発想にはとても感動しますが、いい事ばかりじゃありません。彼が自分で撮ったビデオを「見せて」と妻にお願いしてきたので、妻がiPhoneのロックを解除してみせあげようとしたとき、彼はロック解除のパスコードを盗み見ているかのようだったと言います。

そんな甥っ子に気付いた妻は、帰りの電車の中で僕に「iPhone 5s指紋認証って便利だよね」と言いました。妻はiPhone 5を使っているので、指紋認証機能など付いていないのです。確かに同じ状況でも、Touch IDなら指の動きを覚えられることもない。子供は最新のガジェットも簡単に使いこなすとは言いますが、事実彼は同じ方法で何台かのスマホのハッキングに成功しているというので驚きです。

ビデオを渡した時のような驚異的な適応能力も、視点を変えれば褒めるべき行動とそうでない行動に変わるということです。でも彼は、おそらく悪気があってハッキングしたわけではないでしょう。ただ邪魔だと思うから回避しただけのこと。そして、そんなときこそ大人がキチンと導いてあげないといけない。

早いうちから自由にガジェットを使いこなすようになるのもいいですが、それ以前に身につけるべきことがたくさんある。彼らと一緒にいられたのは短い間ですが、僕ら夫婦は甥っ子に色々と教わったような気がしました。

あとがき

子供が産まれたら、発想力の妨げになるようなことだけはしないように努めよう。可愛い甥っ子を想い、そんなこと語り合う夫婦、今日この頃です。