愛に生きるライオン

おもしろき世をことさらにおもしろく

赤ちゃん

ある日、見知らぬお婆さんに声をかけられた。近づくでもなく、話しかけるでもなく、遠くから「赤ちゃん、赤ちゃん、赤ちゃん……」と。

見えなくなるまで。

それから暫く、僕らの間で「赤ちゃん」が恐怖ワードになった。そのお婆さんを思いだしてしまうから。