Googleリーダー終了について考える
来たる7月1日。Googleリーダーがサービスを終了します。Googleが春の大掃除として、RSSサービスGoogleリーダーを廃止すると決定したそうです。ユーザーの減少がその理由らしい。
Googleリーダー終了の発表があった日には、僕のTwitterタイムラインはその話題で溢れていました。その波に乗りそこねてしまった僕は、1人悶々とGoogleリーダーについて考えていました。議論し尽くされたであろうテーマですが、僕なりに思ったことを書いてみます。
Googleリーダーの終了より、RSSの今後が気になる!
14日からのニュースを見ていると、多くの企業がGoogleリーダーから放流されるユーザーを獲得しようと、色々な動きがあるようです。Googleにとっては取るに足らないユーザー数だったのかもしれませんが、各社こぞってユーザー獲得に躍起になっているところを見ると、ユーザー数が年々減少しているのがウソに思えてきます。
他にも「辞めないで」という署名活動が行われたり、ポストRSSリーダーは何処かという投票が行われたりと、まるで一大イベントのような盛り上がりにも見えます。
Google Reader終了ショックの波紋〜代替サービスが続々と名乗りを上げる -INTERNET Watch
Google Readerユーザー獲得に各社が名乗り ヤフーは「引っ越しツールを爆速準備中」 - ITmedia ニュース
Twitterのタイムラインは人それぞれ違うもので、それはFacebookであっても、Google+であっても同じです。なのでGoogleリーダーの終了についての騒ぎが目に付くのは当たり前のことで、実際のところはどうなのかは分かりません。
少なくとも目に見える範囲の騒動で面白いのは、GoogleリーダーがRSSリーダーとして圧倒的な存在感を持っていて、多くの人がこんなに早く終了すると予想していなかったことだと思います。ひとつのサービス、企業に依存するということの怖さを教えてくれるいいモデルケースになったのではないでしょうか。
「Google Reader」亡き後、どれに乗り換えるべきかTwitterで投票するサイト「ReplaceReader」 - GIGAZINE
RSS = Googleリーダーだった
正直無くなって困りはしないけど、あってくれると凄く便利なGoogleリーダー。Googleにとっては存続させるより切ってしまった方が有益だという判断なのかも知れませんが、出来ることなら存続して欲しかった。僕にとってのGoogleリーダーとは、RSSとイコールな存在でした。そもそも僕がRSSの存在を知り、使い始めたのはiPod touchかiPhoneを手に入れてからの事で、RSSがなければ今ブログをやっていなかったと思います。
普段テレビを見る機会が殆ど無い僕にとって、RSSは「腹を空かせた子供にわざわざ食べ物を届けてくれるアンパンマン」のような、ヒーロー的存在でした。未読だらけで放置しがちな適当な運用ではありましたが、Googleリーダーの整理方法など、活用方法を読み漁ったのも今では良い思い出です。
SNS時代のRSS
Googleリーダーが終了しても、RSSが情報を効率よく集めるために便利であることには変わりありません。それを「良い思い出」と書いたのは、今ではそこまでRSSを重視して見ることがないからです。情報収集の要であったRSSの立場は、SNSの登場によって変わりました。今ではTwitter、Facebook、Google+等々、RSS以外にも情報収集に使える方法がいくつもあります。
そこで共有される情報の多さ、流れの早さはすさまじく、時にそれは従来のメディアをも凌駕する程です。個人個人がメディアとなり、常に情報が共有される時間の概念を持ったツール。これは本当に凄い事です。Twitterが登場したとき、Webは大きく進化した。とぼとぼと歩いていたWebが走り出した。僕にはそんな風に見えました。
また、SNSはその投稿にURLを貼り付ける事で、ブログなどのストック型の情報を拡散させるためのツールとしても活躍しています。今では、そういったツールを解析して、本人が興味ありそうな記事を教えてくれたり、話題のニュースを届けてくれるサービスやツールもたくさんあります。
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僕もTwitterを使って情報収集することが多くなり、今ではRSSを見る機会はSNSと半々といった感じになっています。RSSを使うのもさほど難しい事では無いのですが、SNSほど気軽ではないです。だからソーシャルメディア時代の到来でRSSユーザーが減っているというのは理解できる話。
僕の勧めでRSSを使っている知人はいますが、それ以外に近い人間でRSSを使ってるよーと言う声を聞かないのも事実(情報収集する為だけなら公言することでもないですが)。
ポストRSSに期待すること
Googleリーダーは恐らく世界一ユーザーの多いRSSリーダだと思いますが、Googleリーダーが無くなるからと言ってRSSが無くなるわけではありません。では何故話題になるのでしょうか? それは「GoogleがRSSを廃止すると決定した」という事実が力を持っているからだと思います。「RSSは終わった」、「RSSは枯れた技術」そう言う声が其処彼処から聞こえてきます。
でもRSSは当分無くならないんじゃないかと僕は思います。ただGoogleじゃなくなるだけで、終わらせる必要も無い。もしRSSが今終わるとするなら、それは枯れた技術だからでは無く、今回の騒動がきっかけとなって「Googleが見限ったからRSSはもう駄目だ」という無意識を掻き立てるGooglの魔力がそうさせるのではないでしょうか。
僕が今回の話題で興味深いと思うのは、RSSへの注目度が一気に高まったということ。様々な議論が交わされ、RSSそのものへの関心が高まったことで「RSSは進化するのではないか」と期待せずにはいられないのです。それがRSSをSNSと統合させたり、共有しやすくしたものなのか、はたまた全く別の技術なのかは僕の頭では想像の域を出ませんが、遠くない未来。早くて2013年7月までにそれは動き出す。Googleの鶴の一声はそれを促すためにあった。そんな淡い期待を抱いてしまうのは僕だけじゃないはず。
ブログを書くものとして
そんなこんなで、僕は急いで代替えツールを選ぶ必要はないと思っています。とは言えそれだけだと楽天的過ぎるので、何かしら対策は考えておきたいところ。なんの動きもなくGoogleリーダーが終了し、これまで使ってきたRSSをそのまま別の形で流用するしかないという未来も容易に想像できます。せっかくGoogleがバックアップツールを用意してくれているので、Googleリーダー終了までに引越しを済まさせておきましょう。
また、Googleリーダーの終了に伴い、RSS利用者の絶対数がガクッと減ってしまうことも考えられるので、やはりブロガーの端くれとしては効率よくブログを読んでもらうためにはどうしたらいいんだろうと考えます。とは言え、まだ何か対策をとったということはありませんが…。僕の周りでは、Twitterのブログ投稿専用アカウントを別に用意するという手段を取られている方が多いようです。
これは、RSSが無くなってもRSSのように純粋に投稿だけを読者に届けたいという思いから、そういう動きが伝播しているように見えます。実際Twitterはフォローするだけで良いので、RSSよりは敷居が低く、有効な対策かもしれません。この動きが一般のネットユーザーの目にどう映るのかは分かりませんが、「ブログには投稿専用のTwitterアカウントがあるのが当たり前」ということになれば、「ブログ投稿用アカウント」がポストRSS的な存在になり得るのかもしれませんね。
因みに僕も、ブロガー界の西のドンこと覚醒する @CDiPの@donpyさんがブログ用アカウントを運用されているのを真似て、ブログ用アカウントを作っていました。元々は「普段使っているメインのアカウントに過去記事を自動ポストするのはどうなんだ?」という考えから用意した投稿専用アカウントだったのですが、結局過去記事を放流しているだけなのであまり活用できていません。
メインのアカウントには今後、投稿専用アカウントからのRTとしてブログ投稿を流していければなと思っています。ブログ関係なく、個人的に仲良くしてくださる方はメインのアカウントのフォローも宜しくお願いします。
僕が選ぶ代替えツール
さて、自分の考えを長々と書いてしまいましたが、今出来る引越しについて、僕が気になっているものを幾つかピックアップしました。
最有力候補はfeedly。Googleリーダーと連携し、キレイなレイアウトでRSSを読む事ができるRSSリーダーアプリ。 Googleリーダー終了後もGoogleリーダーのフィードを利用できるように、兼ねてから計画されていたそうで、今や一歩抜きん出た存在となっています。
Googleリーダーの後継サービス筆頭Feedlyに48時間で50万件の新規登録 - GIGAZINE
また、既存のユーザーはバックアップに必要な作業は一切無しというのも嬉しい。僕も普段から使っていたRSSクライアントなので、何もする事なくバックアップが完了しているということですね。また、feedlyはReederなどの他のアプリとの連携も可能だそうで、本当に至れり尽くせりです。
Reederは僕が最も愛用するRSSリーダーアプリ。そのReederの公式アカウントは「我々はGoogleリーダーと一緒に死んだりしない」とツイートしたという話が話題になっていて、Reederファンとしては心強い限りです。
「Reeder won't die」iOS定番クライアントがGoogle Reader終了騒動で発言 | マイナビニュース
Reeder事態がどのような対応をするのかは分かりませんが、少なくともfeedlyとの連携が可能なようなので、これまで通り使えそうなので一安心です。個人的にReeder中心に考えたいということもあり、Reederか既に対応しているFeverというRSSサービスも気になるのですが、これは自前でサーバーを用意する必要があるようなのでパス。
次にFlipboard。これまた雑誌風のレイアウトでRSSフィードを読む事ができるアプリ。Flipboardは元々RSSの他にも様々なフィードを読み込むことができて、専用のアカウントを作ることで複数のデバイスにインストールしたFlipboard間で環境を同期することができる便利なアプリでした。RSSに依存しないという意味では一番説得力のあるサービスなのかなと思います。
おわりに
上でピックアップした物以外に、国内ではYahooやlivedoorなどのRSSリーダーが存在し、各社鎬を削る混戦状態となっています。国内のRSSサービスを使いたくない!とは思っていないのですが、どうしても汎用性が高いサービスを期待してしまうので(Googleリーダーに対応したiPhoneアプリが多数あるように)今回は見送り。
とりあえずはローカルにGoogleリーダーのバックアップを取り、今はfeedlyに期待したいと思います。そして最初に述べたように、進化型RSSサービスの登場を期待したいと思います。誰でも思いつきそうなことを言うと、TwitterやFacebookのアカウントでログインでき、ワンクリックでフィードをTwitterの要領でフォロー&リムーブできる。これだけで大分違うんじゃないかなーと思うのですが、どうでしょう。
他には同じクライアントのひとつの画面で、RSSフィードとSNSのタイムラインを同時に表示するとか(RSSの意味が無い)、簡単にきりかえられるとか、SNSに流れてきたリンクからシームレスにRSS登録できるとか、RSSを最定義するような進化が欲しいなーと、ひとり妄想にふけったりしています。そういうのって例えばTwitterの規制があってできなかったりするんですかね?
ではでは、長々とおつきあいありがとうございました。